歯磨きの回数が少ないと頭頸部がんリスクに

少ない歯磨き回数が頭頸部がんリスクに(山田歯科医院)
 歯磨きの回数が1日2回に比べ1日1回以下では、頭頸部ガンの発症・死亡リスクが2.2倍になることが、名古屋大学予防医学のグループによって、第28回日本疫学会で発表されました。
 頭頸部ガン発症には口腔環境が密接に関係しています。口腔内細菌が発がん性物質のニトロサミンを産生したり、タバコの煙の中のニトロサミンなどの有害物質を活性化したり、残留アルコールから発がん性物質のアセトアルデヒドを産生したりすることで起きる炎症や歯周病などが頭頸部ガン発症の引き金になっていると考えられています。
 そこで、歯磨きをすることで口腔内細菌や有害物質が除去でき、頭頚部ガンの発症にも有益に働くと考えられているのです。
 う蝕や歯周病の予防だけではなく、頭頚部ガンの予防にも毎食後の歯磨きを習慣づけるようにしましょう。

人工知能が口腔ガンを携帯写真で診断

携帯カメラで口腔ガン診断(山田歯科医院)
 口腔がんは舌や歯肉、頬粘膜などにでき、リンパ節や肺に転移し、死に至ることもあります。口の中は、自分自身で鏡で見ることができるにもかかわらず、進行するまで放置されていることが数多くあります。
 2月13日付の読売新聞によりますと、大阪大学歯学部口腔外科の平岡慎一郎先生らのチームは、人工知能(AI)に大量の口腔ガンとその類似症状の画像を学習させ、病院や歯科診療所で撮影した画像から自動的にAIが口腔ガンを見分けるシステムの開発に着手しました。
 近い将来、患者自身が自分の携帯で自身の口腔内の写真を撮影するだけで、AIが口腔がんの早期診断をしてくれる日が来るかもしれません。

歯磨きで防ぐインフルエンザ感染

富山大学医学部ウイルス学講座白木公康教授によると、歯磨きの程度によって、インフルエンザウイルスの罹患リスクが変わってしまうとのことです。
感染細胞から放出されるインフルエンザウイルスは未成熟で、上気道の細胞への感染性をそれだけでは持っていません。
感染性を獲得するためには、トリプシン様たんぱく質分解酵素によって、ウイルス粒子の表面に存在するノイラミニダーゼの前駆体たんぱく質が切断される必要があるのです。
上気道に存在するクララ細胞がそのたんぱく質分解酵素を分泌していますが、実は口腔細菌もトリプシン様たんぱく質分解酵素を分泌しているのです。
従って、口腔内の衛生管理を怠ると、口腔内で成熟インフルエンザウイルスが誕生し、インフルエンザに感染し易くなるという訳です。
歯磨き励行。
皆さんもインフルエンザシーズンに備えて、きちんと歯磨きをしましょう。
(日経バイオテク 個の医療メール Vol.499 2013年9月18日)

口腔がん検診の日

レッド&ホワイトリボン レッド&ホワイトリボン

11月15日は「口腔がん検診の日」です。
平成20年11月15日に開催された「第21回・日本歯科医学総会」において、口腔がん検診の普及をテーマにシンポジウムが行われ、口腔がん撲滅運動のシンボル「レッド&ホワイトリボン」が発表されたことを記念して、口腔がん検診の普及と啓発を目的に、このリボンを発案した社団法人東京都玉川歯科医師会日本記念日協会に申請して、「口腔がん検診の日」として制定されました。
11月14日の世界糖尿病デーのように、東京タワーのライトアップが目標です。

平成21年人口動態統計

9月2日に厚生労働省が発表した平成21年人口動態統計(確定数)によりますと、平成21年の死亡者数は114万1865人で前年に比べ542人減少しました。
死因別の死亡者数では、「悪性新生物」が34万4105人(30.1%)で最も多く、以下「心疾患」、「脳血管疾患」の順で、この死因順位はここ数年間は変わっていません。

「悪性新生物」で亡くなった方のうち、「口唇、口腔及び咽頭の悪性新生物」で亡くなったっ方は6546人で前年に比べ37人減少しましたが、人口10万対死亡率は5.2で前年と同じでした。
男女別死亡者数は、女性1859人に対し男性は4687人と2.5倍で、人口10万対死亡率では女性が2.9に対して男性は7.6であり2.6倍高くなっています。
この数字は、飲酒・喫煙が口腔がんのリスクファクターであるということを如実に反映していると思われます。

口腔がんは、自分自身で観察することができるガンなのですが、受診される患者さんの多くは末期になってしまっています。
早期発見・早期治療が良好な予後につながる唯一の道です。
富山市歯科医師会が作成したパンフレットには、口腔がんに関する簡単な解説とセルフチェック項目が記載されています。
市内各歯科医院にありますので、一度手にとって、ご自分のお口を観察してみてください。
また、このパンフレットは11月14日に開催される、「健口フォーラム2010」の会場でも、来場された方々に配布されます。

唾液で、高精度のがん検査

 唾液に含まれる成分を調べ、がんを発見する技術を、慶応義塾大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)と米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)が共同で開発しました。唾液の検査は、X線や血液の検査より患者の負担が小さく、実用化されれば症状が出にくいがんの早期発見につながる可能性が大きくなります。
 UCLAが、膵臓がん、乳がん、口腔がん患者や健常者ら215人の唾液を集め、慶応大がそれぞれのがんに特徴的な物質を検索しました。検出された約500種類の糖やアミノ酸などのうち、膵臓がん患者はグルタミン酸の濃度が高いなど、健常者に比べ濃度が高かったり、または低かったりした54物質を特定することができました。
 これらの物質の特徴を組みあわせた解析で、がん患者を対象に、がんが判別できる精度を調べたところ、膵臓がんの99%、乳がんの95%、口腔がんの80%を見分けることができました。年齢や性別、人種の差は、ほとんどなかったとのことです。
 膵臓がんは、早期段階では特徴的な症状がないうえに、他の臓器に囲まれているためたいへん見つけにくく、進行してからようやく見つかる場合が多い病気で、5年生存率は5%から7%ほどしかありません。この病気が、患者の大きな負担なく診断できれば、早期発見・早期治療のための大きな一歩になります。実用化のためには、がんと診断されていない人を対象にした試験や、唾液の状態による影響、早期がんの患者にも有効なのかの確認など、さらにデータの蓄積と検証が必要になりますが、今後の更なる研究が期待されます。
 この分野に詳しい静岡県立静岡がんセンター研究所の楠原正俊医師は「唾液のような液体に含まれる物質を一度に何百種類も分析できる方法自体が画期的。既存の血液による検査方法では早期がんの検出は難しい。早期がんが発見できるかに注目していきたい」と話しています。
 研究結果は28日、オランダで開かれているメタボローム国際学会で発表されます。



口腔がん根絶のために(2)

口腔ガンパンフレット(山田歯科医院)


口腔がんの早期発見・早期治療に対する理解を深めていただくためのポスターに引き続いて、口腔がんに関して簡単な知識を解説したパンフレットが完成しました。
口腔がんの病態写真や、早期発見のためのマニュアルなど豊富な内容となっています。
富山市歯科医師会会員歯科診療所・病院で入手できます。
ご自分のお口の中を、一度じっくり眺めてみてください。

タバコ社会からの脱却を目指して

日本学術会議は、喫煙率削減の数値目標が「健康日本21」や「がん対策推進基本計画」に盛り込まれていない現状を憂い、タバコの害から国民の健康を守り環境汚染から地球を守るための強い意志を示すために、本年3月4日に「脱タバコ社会の実現に向けて」という要望のなかで、以下の7つの提言を公表しました。

1.タバコの直接的・間接的健康障害につき、なお一層の教育・啓発を行う
2.喫煙率削減の数値目標を設定する
3.職場・公共の場所での喫煙を禁止する
4.未成年者喫煙禁止法を遵守し、次世代の国民を守る
5.タバコ自動販売機の設置を禁止しタバコ箱の警告文を簡潔かつ目立つようにする
6.タバコ税を大幅に引き上げて、税収を確保したまま、タバコ消費量の減少をはかる
7.タバコの直接的・間接的被害より国民を守る立場から、タバコに関する規制を行う

これに加えて、日本学術会議は、職場や公共の場所での受動喫煙を防止するための健康増進法の規定は、現在は努力義務にとどまっているため、非喫煙者の健康を守るための対策としては不十分であるとの立場から、より強制力のある立法措置が必要だとする「受動喫煙防止の推進について」という提言を4月9日に公表しました。
この中で表明されている以下の3つの提言は、受動喫煙を防止する目的ではあるのですが、かなり厳しく喫煙を制限すべきであるという内容になっています。

1.我が国は、第2回「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」締約国会議で全会一致で採択された「たばこの煙にさらされることからの保護に関するガイドライン」に沿って、職場・公共の場所における受動喫煙防止のための強制力のある立法措置を講じるべきである。
2.その際、換気、空気清浄機、喫煙区域の指定などの手段は必ずしも有効でないとする科学的根拠に留意して、屋内においては分煙ではなく禁煙を目指すべきである。また、すべての国民を等しくタバコの被害から守るという立場から、職場・公共の場所は例外を認めずに受動喫煙防止の対象とすべきである。
3.バー・レストランなど特定の施設に関しては、事業者に対する配慮として一定の猶予期間を設けることはあり得るが、適切な手段を講ずることによりその猶予期間はできる限り短縮すべきである。

喫煙は、口腔がんを含めて多くの疾患のリスクファクターとなっています。
喫煙環境が少しでも縮小していくように努力してゆきたいものです。

口腔がんの根絶のために(1)

口腔ガンポスター(山田歯科医院)

富山市歯科医師会では、口腔がんの早期発見・早期治療に対する理解を深めていただくために、ポスターを作成しました。
富山県歯科医師会に協力していただき、県内の病院・歯科医院のみならず、公共機関にも掲示していただき、広く県民の皆さんの目に触れるようにする予定です。
このポスターに引き続いて、口腔がんに関して簡単な知識を解説したパンフレットも、まもなく完成します。

朝晩2回以上の歯磨きが、口腔・咽頭・喉頭・食道がんの予防になる

歯磨きと口腔がんのリスク(山田歯科医院)

日経ヘルス2010年1月号に、「朝晩2回以上の歯磨きが、口腔・咽頭・喉頭・食道がんの予防になる」という記事が掲載されています。
愛知県がんセンター研究所の疫学・予防部の松尾恵太郎室長の研究クループは、愛知県がんセンター病院を訪れた患者に行っている生活習慣などに関するアンケート調査のうち、2000年12月から2005年の11月までの5年分のデータの解析を行い、口腔から食道にかけてのがんリスクと生活習慣との関係を調べました。
この部位にがんを発症した961人と、がんでない2883人のデータを解析したところ、1日1回歯を磨く人の発症リスクを1としたとき、1日に1回も磨かない人と1日2回以上磨く人とでは、がんの発症リスクに大きな差があることがわかりました。(上グラフ)。
なぜ歯磨きによってがんリスクが軽減するのか、詳細な理由はまだ明らかになっていませんが、歯磨きによって口の中の細菌量がコントロールされることで、アルデヒドなどの有害物質を発生させる細菌等が減少することが関係しているのではないかと考えられています。
松尾室長は「科学的データはないが、就寝中は唾液分泌が少なく化学物質の蓄積も多い。朝食後と就寝前に磨くのが効果的なのでは」と話しています。
この研究結果は、2009年6月に開催された「がん予防大会2009 愛知」でも発表されています。
(P07 日本人における頭頸部・食道がんに対するブラッシング習慣のがん予防効果の検討)

歯周病は頭頚部偏平上皮がんの独立したリスクファクターで、「歯周病を予防することは口腔がんのリスクを低下させる」ことが示唆されていることをお伝えしましたが、歯周病を予防する最も有効な手段である歯磨きにより、口腔から食道にかけてのがんのリスクが軽減されることも示されたことで、口腔ケアはこの領域のがん予防に必須であることが示されたと考えてよいと思います。

歯周病と口腔がん

歯周病と口腔がん(山田歯科医院)

一般的に、頭頚部扁平上皮がんのもっとも大きなリスクファクターとして喫煙が挙げられていますが、米国では、喫煙率が低下しているにもかかわらず、頭頚部扁平上皮がんの発症率が上昇しています。このため、頭頚部扁平上皮がんには、喫煙とは別のリスクファクターが存在することが推測されていました。
Roswell Park Cancer InstituteのMine Tezalらは、このほど頭頚部扁平上皮がんの発症に対する歯周病の影響を検討する研究を行い発表しました。(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2009; 18(9): p2406-2412)
Chronic Periodontitis and the Incidence of Head and Neck Squamous Cell Carcinoma
これによりますと、歯槽骨の吸収量が1mm増すごとに、頭頚部偏平上皮がんの発症リスクが
4.36倍も増加することが明らかになりました。
とくに、歯周病との相関関係が最も強く認められたのは口腔がんで、飲酒も喫煙もしない人であっても、歯周病により口腔がんの発症率が増加していました。
また、歯周病患者では、有意に口腔がんの悪性度が高くなっていました。
歯周病は頭頚部偏平上皮がんの独立したリスクファクターで、歯周病を予防することは口腔がんのリスクを低下させることを示唆しています。

口腔がん

今月はじめ、富山県歯科医師会・富山市歯科医師会が、あいついで「口腔がん」に関する講習会を開催しました。
「口腔がん」は、歯肉・粘膜・舌・あごの骨などにできる悪性腫瘍です。
「口腔がん」は、胃がんなどと違って直接自分の目で見ることができます、そのため、早期発見が容易であると考えられがちですが、多くの症例が進行したがんの状態まで見逃されていているのが現状です。
早期に発見すればするほど、口腔機能が保持しやすくなります。
当日の配布資料の中に、「口腔がん」早期発見チェックシートがありました。
一年に一度は、自分の口をチェックしてみましょう。

「口腔がん」発見チェックシート
1. 一日タバコを40本以上吸う(または一日本数×喫煙年数が1000以上である)
2. 毎日、日本酒を3合以上飲む
3. 口内炎が、2週間以上治らない
4. 抜歯した傷が治らない
5. 噛んだ傷が治らない
6. 入れ歯があったってできた傷が治らない
7. 最近、歯が浮くような感じがする
8. 白っぽいできものがある
9. 赤くただれている
10.かたいシコリをふれる
11.舌が動かなくなった
12.口が開きにくくなった
13.下唇や舌がしびれる

1または2に該当する方で、3以降の項目にひとつでも当てはまる項目があれば、大学病院や病院の歯科口腔外科に相談してみてください。

悩ましい口内炎



口内炎が、なかなか治らないという悩みには、ほぼ毎日遭遇します。
NHKの人気番組「ためしてガッテン」で、口内炎のスピード完治の奥の手が紹介されました。
キーワードは「ブクブクうがい」
殺菌性の洗口剤でうがいをした後、水ですすぎうがいをすると、
悩ましい口内炎から早期に解放されることがわかりました。
一回20秒ブクブクうがいを3回することで、清潔な状態が3時間以上も続きます。
ぜひ、お試しください。

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ただ、なかなか治らない口内炎は、早期の口腔ガンの可能性もあります。
このような場合は、“いつかは治る”と思わないで、早めにご相談ください。

NHK「ためしてガッテン」 口内炎スピード完治! (2009年2月25日放送)