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ラクトフェリン

ライオンラクトフェリン(山田歯科医院)
 ラクトフェリンは、「ラクト=乳」と「フェリン=鉄」を名前の由来とする、鉄と結合するタンパク質で、母乳に多く含まれるタンパク質です。
 最近は、ラクトフェリンの「内臓脂肪低減効果」が注目され、メタボの対策のサプリメントとして、「ラクトフェリン」は、たいへん注目を集め大きく売り上げを伸ばしています。
 しかし、当初は、このラクトフェリンの持つ歯周病の病原菌が産生する毒素を不活性化する効果に着目し、ライオンが歯周病に対する薬剤開発を目的として研究に着手したことは、忘れられようとしています。たしかに、紹介記事には「また歯周病の進行抑制、整腸作用、免疫賦活、大腸癌予防などの効果をもつとして注目されています。」と書いてはありますが、内臓脂肪の低減効果に比べるとインパクトの弱さには、目を覆うものがあります。
 ラクトフェリンの歯科領域への応用の可能性を見直そうと、4月に開催される日本アンチエージング歯科学会第5回学術大会で、「ドクターズサプリメント ラクトフェリンの歯科への応用」と題してセミナーが開催されます。
乳酸菌LS1(山田歯科医院)
 ライオンは歯周病予防のサプリメントとして「乳酸菌LS1」を歯科医院向けに発売していますが、歯周病の進行抑制の効果を大きく謳ったサプリメントの出現に期待したいものです。

薔薇

薔薇(山田歯科医院)

西井義晃画伯の「薔薇」が、仲間に加わりました。
小品ですが、「薔薇の静物」とはひと味違った色合いをお楽しみください。

歯周病に罹患すると認知症になりやすい!?

 アメリカ国民健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES-III)のデーターを解析した結果、高齢者においては歯周病の罹患と認知機能低下との間に関連性が見出されたことが、発表されました。
(J M Noble et al. Periodontitis is associated with cognitive impairment among older adults: analysis of NHANES-III J Neurol Neurosurg Psychiatry Vol.80(2009) p1206-1211)
 
 歯周病は歯肉に炎症を引き起こす歯周病病原菌による感染性疾患ですが、この炎症は全身に影響することが多くの研究で指摘されています。一方で,高齢者に多く見られる認知機能障害は、糖尿病など全身性の炎症と関連することも示されています。そのため、歯周病病原菌の全身への影響を歯周病病原菌に対する血清抗体価で評価し、認知症患者のスクリーニングに用いる記憶力テスト(EBMT)の結果との関連性に関しての解析が行われました。

 歯周病病原菌の血清抗体価に基づいて,①健常群 ②軽症群 ③中等症群 ④重症群の4群に分けて、EBMTの誤答率を健常群と比較したところ、軽症群で1.43倍、中等症群で2.03倍、重症群で2.89倍と,歯周病が重症になるほど長期的記憶力が有意に低下することがわかりました。また連続減算テストの成績も重症群において有意に低下していました。
 結論では、今後もさらなる検討が必要であるとはしたものの、「歯周病原性細菌による全身性の炎症反応が脳に影響し、認知機能障害のリスクファクターとなる可能性がある」と指摘されています。
 富山市歯科医師会は、富山市が行っている高齢者のパワーリハビリを効果的に行うためには、口腔機能を良好な状態に保つことが大切であると呼びかけていますが、「高齢者の思考能力を良好に維持するためには、歯科医院での口腔ケアが必要である」ということも併せて呼びかけていかなければなりません。