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う蝕のある就学前児童は肥満になる可能性が高い!

ニューヨーク州立大学バッファロー校Kathleen Bethin准教授らは、「う蝕のある就学前児童は、過体重や肥満になる可能性が高く、体重にかかわらずカロリー摂取量が過剰である傾向が強い」との研究結果を、第92回米国内分泌学会(ENDO)で発表しました。
 Bethin准教授らは、2~5歳の小児を対象に、歯科衛生不良と過体重の関連について調べたところ、う蝕の治療の必要がある小児の約28%が肥満で、総コレステロール値が非常に高いことがわかりました。
 同准教授は「高BMIとう蝕に関連があるか否かについて,さらに分析する必要がある」と述べてはいるものの、「就学前児童において悪い食習慣は、う蝕と肥満の両方に影響する」とまず警告し、「う蝕は小児に最も多い疾患で、また若年者の肥満はますます大きな問題になっている。う蝕と肥満を予防するうえで、栄養について保護者を指導できる歯科医は重要だ」と指摘しています。
 
そろそろ、就学時検診が始まります。
御父兄に対して、このような新たな知見をお話するのも、学校歯科医師の大切な仕事です。

再会

医科学研究所(山田歯科医院)

東京大学医科学研究所の細菌研究部で一緒だった、Ben Adlerさんが、約20年ぶりに我が家を訪問してくれました。
ベンさんは東大での一年間の研究を終えてオーストラリアへ帰国する際、ベンさん一家が我が家に滞在し、我が家を拠点に一緒にあちらこちら廻り歩きまわった仲です。
以来ベンさんは、ほぼ毎年学会発表等で来日していますが、お互いの日程が合わず、20年ぶりの再会となりました。
3か月前に前立腺がんの手術をしたとは思えない元気な姿に、ホッとしました。
ただ、上・下の写真で一目瞭然ですが、お互いに年をとったものです。
今回は、週末の休みを利用して世界遺産白川郷や、おわら風の盆の前夜祭など、日本の原風景を一緒に楽しみました。

おわら風の盆(山田歯科医院)

白川郷(山田歯科医院)

今度は、我が家がメルボルンを訪れる番だと、きつく念を押されました。
さあ、たいへんだ!

プラス1000歩富山市民運動

あるっクマ(山田歯科医院)  あるっクマ

車社会の富山市では、糖尿病が原因となる疾患で亡くなる人が全国平均(10万人あたり11.5人)を上回って(10万人あたり12.5人(いずれも08年度))いることから、市民にもっと歩く習慣を付けてもらおうと「プラス1000歩富山市民運動」を9月1日から始めます。
「プラス1000歩富山市民運動」は、40歳以上の市民を対象に実施し、申込者には歩数記録表が配布されます。まず最初の1週間で基本となる1日平均の歩数を測定し、次にその基本歩数に1000歩を足した歩数を目標に3カ月間歩いてもらうという運動です。毎日の歩数を記録した歩数記録表を最寄りの保健福祉センターなどに提出すると、修了証のほか、抽選で賞品も贈られます。

歯周病は糖尿病のリスク因子です。
プラス1000歩で、口腔ケアに歯科医院を訪ねてください。

「スーパー細菌」(3)

ほとんどの抗生物質が効かない「スーパー細菌」が欧米などで報告されている問題で、WHOは8月20日、院内感染予防策の強化、抗生物質の適切な使用などの対策を講じるように、各国に対して勧告しました

抗生物質の安易な使用が耐性菌の発生につながることから、この勧告の中で、WHOは各国政府が次の4項目の事項に特に努力するように呼びかけています。
1.抗菌薬耐性の監視する。
2.抗生物質は合理的に使用する。これには医療従事者や一般大衆に対しての、抗生物質の適切な使用に関する教育を含みます。
3.処方箋なしで抗生物質を販売することを止めさせることに関する法律を導入する。
4.特に医療機関では、手洗いのような感染予防措置を厳密に守る。

「スーパー細菌」(2)

多くの抗生物質に耐性を示す新種の「スーパー細菌」に感染した患者が欧州を中心に報告された問題を受け、厚生労働省は18日に、都道府県などに対し、国内での発生に備えて医療機関に情報を提供しておくよう注意喚起しました。
同省によると、いまのところ国内で感染例は確認されていません。
もし、医療機関で患者が見つかった場合は他の患者にうつらないよう対処し、症状のない場合は消失するのを待ち、症状がある場合は有効な抗菌薬を使用するなど積極的な治療を求めています。
また、海外渡航歴などを聞き、国立感染症研究所へ情報提供するよう要請しています。

厚生労働省は抗菌薬使用などの積極的な治療を求めていますが、いまのところNDM-1遺伝子を持つ細菌はコリスチンとTigecyclineにしか感受性がありません。しかしながら、わが国で承認されているコリスチン製剤は、大腸菌や赤痢菌による感染性腸炎に対する薬のみで、重篤な全身性感染に対するコリスチン製剤の承認はありません。

「スーパー細菌」

8月11日発売の「The Lancet Infectious Diseases」電子版に、ほとんどの抗生物質に耐性を示す遺伝子を持つ細菌の報告があり、マスメディアはこれを“「スーパー細菌」欧米で感染急増”と報じています。

「Emergence of a new antibiotic resistance mechanism in India, Pakistan, and the UK: a molecular, biological, and epidemiological study」
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication,11 August 2010
http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(10)70143-2/abstract

「スーパー細菌」と呼ばれる細菌は、「NDM-1」という遺伝子を持っています。この「NDM-1」と名付けられた遺伝子は、カルバペネム系抗生物質に耐性を示す新しい遺伝子で、この遺伝子を持つ細菌は、ほとんどすべての抗生物質に対して耐性を示します。
この遺伝子はプラスミド上にコードされているため、容易に別の細菌に耐性遺伝子が伝播する恐れがあります。その結果、多くの病原細菌が、多くの抗生物質に耐性を示す結果になることが考えられます。
「NDM-1」遺伝子をコードしたプラスミドを持つ菌が世界中に広まる可能性があることは明らかでこれは大変な脅威です。そのため、国際的な連携での監視を強化し、さらには新薬を開発が必要であると、論文では結論付けています。

糖尿病と歯周病に関するセミナー(2)

糖尿病と歯周病に関するセミナー

富山市歯科医師会主催の「糖尿病と歯周病に関するセミナー」が、盛会裏に終わりました。
相互に関連があると言われながら、なかなかその実態を理解することが難しいとされている糖尿病と歯周病の関係が、医科と歯科のそれぞれの立場からの最新の知見の講演で理解することができました。また、医療連携における歯周病管理のポジションに対する考え方も理解することができました。
参加していただいた150名の方々のうち40名ほどの方が医科関係の方であったことや、保健福祉行政に携わっていらっしゃる方の参加があったことは、今後の地域医療連携の展開に大きな希望を抱くことができることの証です。 
松原先生の講演の中で、私のブログの「糖尿病患者の口腔衛生に関するガイドライン」が引用された時は、驚きとともに多少の喜びを感じました。
せっかくの休日、長時間にわたり聴講していただき、どうもありがとうございました。

超高齢社会における歯科医療のあるべき方向性

日本歯科医師会は、7月28日、29日の2日間にわたり開催されたワークショップで検討された「超高齢社会における歯科医療のあるべき方向性」についての結果と宣言を発表しました。
<ワークショップでの検討結果>
1. 誤嚥性肺炎などの感染症の予防、低栄養の改善など、全身の健康度を高め、介護度の軽減に寄与する。
2. 要介護者を含め、病院・介護施設・在宅などの患者が、歯科医療を円滑に受けることが出来るよう、制度やシステムの見直しを図る。
3. 医療および介護に係る多職種との連携を図り、在宅歯科医療を推進する。
4. 在宅歯科医療を推進するための環境を整えるために、診療報酬・介護報酬上の問題点を顕在化し、対策を講ずる。
5. 歯科大学(歯学部)および歯科衛生士教育施設における、高齢者歯科保健医療に係る教育体制を強化し、卒後教育を含め、在宅歯科医療に携わる人材の育成に努める。
6. 在宅歯科医療を推進するための、治療技術および器材などに係る研究開発を促進し、普及に努める。
<宣 言>
一、 平均寿命の伸びが続く中、可能な限り健康寿命を平均寿命に近づけることが国家の急務であると考える。そのために、人の基本的な営みである「食べること」と「体を動かすこと」の二つを連動させた国民運動を関係団体と連携して展開し、高齢者の生きがいを支える。
一、 在宅歯科医療を推進し、要介護者などに対して切れ目のない歯科医療を提供することで、食べる、会話するなど、高齢者のQOLの向上と社会性の確保を図り、「歯科医療」から「介護」を支える。
平成22年7月29日 日本歯科医師会

昨年7月富山市歯科医師会が策定した、「富山市歯科医師会訪問歯科診療推進長期総合計画」を踏襲したような宣言ですが、ようやく全国レベルで「生きる力を支援する生活の医療」としての歯科医療が始まります。
 「富山市歯科医師会訪問歯科診療推進長期総合計画」は、まもなく富山市歯科医師会のホームページで公開されます。